こころの電話

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2017年1月1日〜最後の到達点見つめて…

 明けましておめでとうございます。本年も「覺照寺こころの電話」をよろしくお願い申し上げます。

 さて、二〇一七年(平成二十九年)の幕開け。一人ひとり、また新たな一年が始まりました。

 今年一年の計画はお立てになったでしょうか。すでに新たな年のスタートは切られたわけですから、もうその計画はできていなければなりません。

 しかし、計画はおろか、その思いさえもまとまっていない人は毎日、目の前の用事に追われて、慌ただしくあっという間に年末、そして年越しとなってしまったからでありましょう。

 一年は短い単位かもしれませんが、しかしその繰り返しと積み重ねがその人生です。つまりその短い一年を、確かな計画を持たずに、それを繰り返しながら過ごす人生は、慌ただしく不安定なものとなりかねません。

 また、ただ今の計画がしっかりと立てられないのは、最後の到達点をしっかりと見つめていないからかもしれません。自らの最終地点、行き着く所がしっかりと念頭に置けるならば、それに向かう確かな計画は立てられるはずです。

 浄土真宗に「後生の一大事」という言葉があります。

 「後生」とは後の生と書いて、いのち終えてからのこと。「一大事」は最も大切なこと。つまり「この人生が終わってからのこと、いのちの帰すべき所が、あなたは明らかになっていますか」との問いかけです。

 人生には必ず終わりが来ます。しかもいついかなる時、どのような形で終わるかもわからないことは、これまで社会や周囲の縁ある方々がその身をもって教えてくださっています。

 私がいのちを終えるときに、本当に安心して参ることのできる世界があるならば、今の人生が、確かな計画のある安心した意義ある人生となることでしょう。

 世のなかに、大事大事は多けれど、この大事にまさる大事は無し

 新年にあたり、今の今、一人ひとりが心得たい大事なことであります。

固定リンク | 2017年01月01日【276】

12月16日〜自分にとっても相手にとっても…

 早いもので今年もあと半月となりました。

 さて、お寺の幼稚園では、来年の学習発表会に向けて合奏や合唱、お遊戯や劇などの練習が始まりました。

 年中児さんのクラスでは、劇の「桃太郎」の練習が始まりました。

 桃から生まれた桃太郎が、常々村人に悪さをする鬼を退治するために、犬、猿、キジにきびだんごをあげて加勢をもらって、見事鬼退治を果たし宝物を持ち帰るというおなじみのお話です。

 園児たちが、事前にその話をよく理解するために皆で会話をしていると、ある園児が、「鬼が鉄の棒や武器を持って村人に悪さをすると、村の人たちは怪我をして、痛い思いをしたり、苦しい思いをする」と意見を述べ、周囲の園児たちもその意見に同意したそうです。

 そして会話が終盤の鬼退治の場面に来ると、園児たちから、「桃太郎たちが刀や武器を持って鬼退治にいくと、きっと鬼たちも村人たちと同じように、怪我をして痛い思いをしたり、苦しい思いをする」という意見が出たそうです。

 その意見に対して、幼稚園の先生が「じゃあ、桃太郎たちはどうしたらいいと思う」と尋ねると、「刀を捨てて勇気を出して、話し合いにいけばいい。そして鬼たちと一緒に楽しく仲良く遊ぶように誘おう」と意見がまとまったそうです。

 なんと素晴らしい子どもたちと先生でしょうか。

 昔ばなしは、正義とか、無欲とか、約束の大切さなどを物語を通じて教えるものですが、子どもたちは一方的な押しつけの正義ではなく、自分を村人に写し、逆に鬼にも自分を写して、自分にも相手にとっても、本当に大切なものは何かを見だしています。

これぞまことのめでたし、めでたしです。来年の学習発表会が楽しみです。

固定リンク | 2016年12月15日【275】

12月1日〜少しだけ慈しみの心を…

今年も残すところあと一カ月。年を重ねるごとに、一年過ぎ去るのが早く感じます。

 さて先日、テレビで九州の大型テーマパークが、死んだ魚五千匹を氷漬けにしたスケートリンクをオープンしようとしたところ、「残酷」、「かわいそう」といった批判が集まり、急きょ閉鎖されたというニュースがありました。

「まるで海の上を滑っているような感覚で楽しめる」と、飛び付くような話題性、意外性を考えた上での企画だったのでしょうが、氷漬けのリンクの製作過程を伝えた同園のフェイスブックで、口が開いた魚の写真に、「お、おぼれるー」「息、出来なくなってきたよ」とセリフまで付けて紹介するなど、ニュースを通して知る限りはあまり感心できる内容ではありませんでした。

またマスコミの取材に対しても、魚は食用として売り物にならない死んだ規格外の魚を市場から仕入れたとのことですが、規格外であろうが規格内であろうが、命を持っていたことに変わりなく、その魚たちを氷漬けにしたリンクを人間が滑って楽しむことに、痛みや悲しみを感じた方も少なくはないと思います。

  本格的な冬に向かって、お客さんを集めるために競争の激しいお仕事で、ご苦労も多いことでしょうが、どうか共々に、少しだけ慈しみの心を持ちましょう。命を哀れむ心を持ちましょう。そのことをあらためて教えられた心に重いニュースでした。

  小さな魚たちに、一つ一つの尊いいのちを見た詩人・金子みすずさんの詩を味わいます。

 朝焼小焼だ 大漁だ 

 大羽鰮(いわし)の 大漁だ。

 浜は祭りの ようだけど

 海のなかでは 何萬(まん)の

 鰮のとむらい するだろう。

固定リンク | 2016年11月29日【274】

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