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5月1日〜平和で実り多き時代であるために…

 天皇の退位・新天皇の即位によって、元号が平成から令和へと変わりました。

 平成天皇と美智子皇后の任期三十年は、先の大戦の反省と犠牲となった多くの方々への追悼、自然災害等で被災された方々へのお見舞いと激励、そして福祉に尽くされた日々であり、「象徴」という姿が如何にあるべきかを常に問い求められ、退位にあたり心からご苦労様でしたと申し上げることです。

 さて、新しい令和の時代はどのような時代になるのでしょうか。平成天皇が最後の挨拶で言われたとおり、日本も、世界の人々も平和で実りの多き安寧の時代であってほしいと思います。

 そしてそのためには多くの知識や技術、経験というものが必要でしょうが、一方で、人々に確かな秩序や教え、道理というものがなければ、社会全体が間違った方向へ走りがちになります。

 AI・人工知能は日々進歩しており、私たちの日常に欠かせないものとなりつつありますが、将来、人間が本来持つ役割まで奪うのではないかという声もあります。

 DNA研究の進展は、いのちそのものの考え方について、様々な課題を抱えています。また人々の生活を豊かにするはずのロボット研究も、一方では攻撃の判断すら無人化された殺人ロボットが誕生して、人命を奪うのではないかという懸念も高まっています。

 このような時代にあって、あらためて仏教の智慧をいただきたいと思います。

 智慧とは、一切のものとそれを成り立たしめている真理・道理のことで、仏の覚りより来るはたらきであります。

 この智慧の光に照らされる時、私たち人間とは本来どのような存在か。人間が求める平和で心豊かな社会には、どのようなものの見方や考え方を大切せねばならないかが明らかになります。

 令和の時代が、平和で実り多き時代であるように、日々仏さまの智慧に学んでいきたいものです。

固定リンク | 2019年05月01日【334】

4月16日〜だからこそ、誰に何を聞くのか?

 毎朝、如雨露で草花に水やりをしますが、如雨露とは、もともとポルトガル語で水を噴出するjorro、または水差しを意味するjarraに漢字を当てたものだそうです。

 さて、四月八日は花まつりで、お寺ではたくさんの子どもたちが、お釈迦さまの誕生仏に甘茶をかけてお祝いをしました。

 お釈迦さまに限らずすべてのいのちの誕生は、その成長を願う新たな出発点ですからめでたく喜ばしいことです。

 しかし、お釈迦さまはその後の生涯を通して、いのちの誕生は老病死をはじめ、その他多くの苦しみの始まりでもあることを諭されました。

 ですから、いのちの誕生はめでたく喜ばしいことではありますが、その裏には苦しみの始まりも備わっていることを踏まえて、誕生という意味を受け止めることが必要でありましょう。

 また、四月は新たな年度の始まりで、学校や会社、多くの団体では年次総会が開かれます。

 この年次総会で欠かせないものが、前年度の行事報告と決算、そして新年度の行事計画と予算案です。

 前年度行った行事の内容とお金の使い方を反省して、次年度の行事計画を行いそれに基づいたお金の使い道を話し合います。

 思えば、私たち一人ひとりの人生も、確かな方針と行事計画・予算があって、その通りに進めば何も心配はありません。

 しかし、人は生まれる前には計画も展望もありませんし、生まれた後もしばらくは自分で計画も立てられません。

 だからこそ、聞くことが必要なのです。誰に何を聞くのか。それはお釈迦さまに確かな人生の歩み方と最終点を問い尋ねていくのです。

 そのために、お釈迦さまは今より二五〇〇年前、この世にお生まれになったのです。

固定リンク | 2019年04月16日【333】

4月1日〜世界は見えないものだらけ

 新たな元号「令和」が制定されました。「一人一人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせられる日本でありたいとの願いが込められているとのことですが、そのような時代になるよう願ってやみません。

 先般、NHKのラジオで、北海道・美瑛町美宙天文台長の佐治晴夫さんのお話を伺いました。佐治さんは理論物理学者で、1970年代に打ち上げられた宇宙探査機ボイジャーにバッハの音楽を乗せること提案したことで有名な方です。

 佐治さんは、現在は○○ファーストの時代と言って戦争にもつながる危険な考え方が横行しているが、それは相互依存の関係、私たちはお互いに支え、支えられなければ存在できないという意識の欠如から来ていると言われます。

 佐治さんは、番組の中で金子みすゞの「星とたんぽぽ」という詩を紹介されました。

 青いお空のそこふかく、海の小石のように、夜が来るまでしずんでる、昼のお星はめにみえぬ。見えぬけれどあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、かわらのすきに、だァまって、春のくるまでかくれてる、つよいその根はめにみえぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。

 私たちは普段、すべてのものを自分で見て分かったような思いでいますが、佐治さんは、世界は見えないものだらけ。現在の宇宙論から言うと、見えるものは5%くらいと言われます。

 私たちは、その目には見えない多くのものに支えられ生かされていることを見失いたくはありません。

  広い宇宙から見れば、小さな地球の中の、日本の一つの元号が変わることなど、取るに足らないことかもしれません。しかし同じ次代、同じ地球・日本に住む私たちが、その共に支え支えられ、共に生かされている存在であることに心をいたすとき、「令和」の願いも深まることでありましょう。

固定リンク | 2019年04月03日【332】

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