こころの電話

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5月1日〜多くの人々の支えの中で…

 新緑の間を渡ってくる風を薫風と言いますが、この香りは殺菌作用や人体を活性化するはたらきがあるそうで、新型コロナウイルスも吹き飛ばして欲しいものです。

 さて、この度は、まず一つの言葉を紹介します。「靴の底 すり減って 傷だらけになって 私の歩みを 支えてくれている」.

 これは、癌を抱えながら苦しみ、あらがい、悩み、そして往生なさる最後までお念仏とともに尊く立派に生き抜かれた本多昭人先生の『ふたたび出会う世界があるから』という本に紹介されていた言葉です。

 本多先生は、この言葉を目にしたとき、「病んだ私を気遣い、激励し、そっと背中を押してくれている周囲の人々の存在に目が向きました。そして、私はその人々の支えの中で生きていることを再認識したのです」とおっしゃっています。

 本多先生のおっしゃると通り、私たちは日々何事もアタリマエのように生活していますが、私の周囲にはその一日を支えてくれているたくさんの人々、いのちがあることに気づかされる言葉です。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言のために、観光業、飲食店、宿泊施設、交通機関など、お仕事をしたくてもできない方々がたくさんおられます。また逆に、この困難な中にありながらも、日々医療に従事してくださっている方々、スーパーで荷下ろしや販売をしてくださっている方々、警察関係や福祉関係の方々など、多くおられます。

 普段は皆忙しくて、なかなか思いが至りませんが、一度この度ののようなことがあると、私の一日を支えてくださり、汗水流してこの社会を支えてくださっている方々に、あらためて気づかされます。

 そして特に、新型コロナウイルス感染者の治療のために、日夜努めてくださっている医療関係者には敬意と感謝を申し上げます。

 「靴の底 すり減って 傷だらけになって 私の歩みを 支えてくれている」。ただ今、深く味わわれる言葉です。

固定リンク | 2020年05月01日【356】

4月16日〜ただ今、大切な教え

 桜の花もすっかり散ってしまいました。

 さて、新型コロナウイルス感染が心配され、次第に身近に迫ってくるような報道があると、私たちの日常の人間関係が少しずつ変わってくるような気がします。

 「どこどこの人が東京帰りだ」とか、「どこどこの人が発熱して検査中だ」とか、まるで犯人捜しのような会話が身近なところで起きてきます。

 人間は、その環境が平穏であれば心も穏やかなのですが、ひとたび不安や恐怖に包まれると心まで縮こまってしまうようです。さらに、心が小さく縮こまると、その小さくなった自分を守ろうとして、排除とか、偏見とか、差別の心が強くなってしまう傾向があるようです。

 十四世紀中ごろ、アジアからヨーロッパにかけて大流行し、西ヨーロッパでは人口の三分の一が亡くなったと言われるペストの大流行では、当初原因が分からず、ユダヤ人が井戸の中に毒を投げ入れたからだという全く根拠のない風評が広がり、多くのユダヤ人が殺されてしまったという痛ましい歴史があったと聞きます。

 病気が人間の体だけでなく、心まで小さくし、人間と人間の関係を変えていく怖さを感じます。そして小さくなった心が、今まで仲のよかった隣人を自分とは違う者として見る。あるいは自分の敵として見てしまう怖さがあります。

 仏さまの教えは、恐怖にとらわれたり、誤った方向へ行ってしまいがちな私たち人間に、冷静に物事を見ていく智慧を与えてくださいます。

 私たちの心を縛り小さくするものは、自分だけは助かりたいという欲であり、なぜ自分の近くに来るのかという怒りや恐れであり、目にみえないから闇雲に人を疑う愚かさです。

 仏さまは、その心の濁りを払い、澄み切った美しい心、穏やかな心、やわらかな心で物事を見て、考え、状況を判断することの大切さを説いておられます。ただ今、大切な教えだと思います。

固定リンク | 2020年04月17日【355】

4月1日〜感謝とともに「庶民栄誉笑」を…

 毎日、新型コロナウイルス感染の情報が伝えられますが、三月二十九日の夜、タレントの志村けんさんが感染によって亡くなられたとの報道がありました。

 体の不調を訴えられてからわずか半月で急逝されるという報道に大変驚くとともに、このウイルスの怖さが未だ実感として受け止められない私たちに、緊張をもたらします。

 志村さんと言えば、私の世代は皆「八時だよ、全員集合」です。親から見るなと言われても、見ずにはおれない楽しい番組でした。生放送で、大がかりな舞台仕掛けのコントを、ハラハラドキドキしながら食い入るように見ていたことを思い出します。

 また、「アイーン」とか、「イッチョメ、イッチョメ、ワオ」とか、「カラスの勝手でしょ」などのギャグ。「変なおじさん」とか、「バカ殿様」などのキャラクター。「ヒゲダンス」の踊りなど、ギャグからコミカルな動きにいたるまで幅広い芸は、日本のみならず世界まで多くの人々に笑いを届けてくれました。

 志村さんの笑いの特徴は、世代を超えたわけへだてのない庶民性にあるような気がします。

 幼い子どもから大人まで、誰でもがついついまねをしてしまうギャグ。街角のどこかにいそうな酔っ払いやちょっと変わったおじさんおばさん。誰もが心の中でアタリマエと思っている事柄を、リズミカルにひっくり返す巧みな芸。

 それは、志村さんの庶民感覚と、たぐいまれなる鋭い人間観察力と研究から生まれたものであり、だからこそ、その笑いはどんな世代にも、どのような人にも通じたのだと思います。 

 まことの教えを説くお釈迦さまも、親鸞さまも、志村さんの芸を見ればきっとお笑いになったことでありましょう。

 志村さんのご逝去を心から残念に思うとともに、私たちに和やかなひとときを届けてくださったことに感謝いたします。

 そして、心の中で「庶民栄誉笑」をそっとお届けしたいと思います。そのしょうはほうびの「賞」ではなく、やはりお笑いの「笑」でありましょう。

固定リンク | 2020年04月01日【354】

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