8月15日~口をついて出てくる言葉~
お盆が終わりました。今年は、北京オリンピックもあって、ひときわにぎやかなお盆になりました。
オリンピックでは、地元中国の応援あふれる中、大きなプレッシャーを抱えた日本人選手が精いっぱい健闘する姿がとても印象的でした。
メダルに手が届いた選手、残念ながら届かなかった選手、期待されながら一・二回戦で敗退した選手さまざまですが、いずれの選手も、競技の内容はもちろんのこと、私には競技後の発言が日本人らしくすばらしく感じました。
メダルに手が届いた選手たちは、「ここまで来られたのも応援してださった皆さんのおかげです」、「この喜びをこれまで支えてくださった方々と味わいたい」と話しました。敗退した選手たちも、「これまで支えてくださった皆さんに感謝したい」、また「応援してくださった方々に申し訳ない」と話しました。いずれの選手も、日本を代表する立派な選手たちだと、私は思いました。
漢字の「恩」という字は、原因を心にとどめると書きますが、自分自身に、どのようなことがはたらき、今日現在の自分あるのか、その原因を心にとどめるということです。仏教では大きく分けて四つあるといわれます。
一つはこの世に命を恵み育ててくれた両親の恩、二つにはさまざまなことを教えてくれた先生の恩、三つには日本という国で学び育つことができた国や社会の恩、四つには物心両面で支えてくれた人々の恩ということです。
オリンピック選手が、あの世界の大舞台にたつまでにさまざまな支援があったことはおおよそ推測できます。試合後それらのご恩に対する感謝の言葉が、口をつくように出てくることが私はすばらしいと思いますし、テレビを通じてそれを聞く子どもたちに大変よい影響を与えてくれると思います。
私の日暮らしには「恩」という陰の力がはたらいています。そのはたらきがあるからこそ人は生きていくことができます。オリンピック選手の一人ひとりの言葉に、そのことをあらためて教えられました。
2008年08月17日【78】