1月16日~清濁併せ呑む心の広さは…
インフルエンザが流行し始めています。手洗い、うがいをこまめにしましょう。
さて、アメリカのトランプさんの大統領就任式が今月二十日に行われます。
大統領戦の時から、大国アメリカのトップを決める選挙としてはお粗末すぎるといたるところで言われてきましたが、就任前から一方的に自分の考えを押しつけて、自らへの批判には耳を貸そうとせず、繰り返される粗野な発言は、三億以上の国民を取りまとめ、多くの国々と渡り合うアメリカのリーダーとして、本当に大丈夫なのかと多くの人が心配するところです。
もう少し清濁併せ呑む、懐の深い大統領の姿を見せてほしいと思うのは私だけでしょうか。
清濁併せ呑むとは、善いことも悪いことも、善人でも悪人でも、賢者も愚者も、来る者はすべて受け入れる度量の大きさを表す言葉です。
清らかな川も濁った川も海に流れ入れば、大海原は隔てなく受け入れることから、心の広い人のこと譬えています。
しかし、常々欲が多く、怒りや腹立ち、嫉みやねたみの心を持つ私たちが、その清濁併せ呑む心の広さを持つことは容易なことではありません。
それは、人間そのものが持つ本性を自ら厳しく見つめることなくしては得られないものでありましょう。
「共に是れ凡夫ならくのみ」とは聖徳太子の言葉で、人はだれもが不完全で、未完成な生き物であり、だからこそ学ぶことの大切さを勧められます。
グローバル化によって生じた国内外の多くの歪みをいっぺんに修正することは至難の業でしょう。しかしながら、多くの国民の声、世界の声に真摯に耳を傾けて、話し合いを大切にして、互いに学び合う姿勢を見せてほしいと思います。
清濁併せ呑む心の広さは、常に学ぶことを忘れず、人間の本性を自ら厳しく見つめる心の中に育つものでありましょう。
2017年01月15日【277】