1月16日~20年もかけて大人になる動物。
新たな年が明けて、早半月が立ちました。
さて、今月十四日は成人の日でした。
少子化時代ではありますが一二二万人の方々が新成人となられたことを心から喜びたいと思います。と同時に、東日本大震災の津波によってこの日を迎えることの出来なかった二七七名の方々に心を寄せ、手を合わせたいと思います。
成人の皆さんにとって、成人式を迎える思いはそれぞれだろうと思いますが、私は毎年、以前何かの広告で見たこの言葉を思い出します。
二十年もかけて大人になる。人間ってなんて贅沢な動物なんだろう。
地球には様々な動物が存在しますが、一人前になるまで二十年かかる動物は、人間だけです。もちろん成人を何歳とするのかという議論はありますが、今はさておき、この世に生まれた時、何一つ自分で出来ないのは人間だけだそうです。
馬は生まれて一時間で立ち上がり歩き始めます。外敵から身を守る本能です。
人間に一番近いとされる猿でも、目は見えず歩きも出来ませんが、手の力は発達していて、母親にしっかりしがみついて離れないそうです。
ミルクを飲むこと、おしめを替えること、風呂に入ること、寝ることなど、すべて親が世話をしなければならないのは人間だけで、親をはじめ多くの方々とのご縁とお世話によって、様々なことを経験し学び、二十年かけてやっと大人になる人間は、贅沢な存在かもしれません。
そして、その人間と動物の決定的な違いは、人間だけが子どもが親の世話をすることだそうです。
これは人間の動物としての本能と言うよりも、育てて貰ったご恩や親からかけられた願いを感じることの出来る人間だけが持つ特性でありましょう。
仏式の成人式では、仏さまに手を合わせます。二十歳を機に、これまで自分自身を育てていただいた多くのご恩やその願いを再確認し、そのご恩に報いる生き方を仏さまに誓うためです。
新成人の皆様の、今後のご活躍を念じます。
2013年01月14日【184】