1月1日~よし、今年こそは…。
明けましておめでとうございます。二〇一三年、平成二十五年のスタートです。
今年も「覚照寺 心の電話」をよろしくお願い申し上げます。
さて、お正月には、お互いに新たな歳を迎えることが出来たことを「おめでとう」と喜び合うものですが、室町時代のお坊さん・一休さんは、「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし」と詠んでおられます。
「めでたい、めでたいと言ってますが、それだけあなたの死が近づいたのですよ 」ということです。情け容赦ない詩です。お正月のお酒もまずくなりそうです。
さらに一休さんは、お正月に墓場から髑髏を持ってきて、それを杖の先に結びつけ、「よく見ろよ。昔はここに二つの目があった。でも、目玉は二つとも飛び出てしもた。目が出た。目が出た。めでたい。めでたいお正月じゃ」と言いながら、京都の町を歩き回ったそうです。
とんちで有名な一休さん。しかし露骨すぎるとんちです。でも、一休さんはそれを通して人々に仏教の教えを説いたのです。「あなたは、今をどう生きるのですか」ということを問いかけられたのです。
「正月とは、人生に対する自分の姿勢を正し、生き方を問い正すとき」という言葉があります。
新しい年を迎えると「よし、今年こそは」と新たなる志、目標を持つものです。また、人は惰性に流されやすいですから、毎年毎年、一つの区切りをつけることはとても大切なことです。
人それぞれいろんな志や目標がありますが、一休さんは、私のいのちが無常の中にあるということを心したときに、初めて真実の生き方が開かれることを諭されたのです。
生かされて生きてきた 生かされて生きている 生かされて生きていこう 真無阿弥陀仏。
自分自身のいのちの現実を見つめつつ、生かされている喜びの中で、お念仏津共に、心豊かな日々を送って参りましょう。
2013年01月01日【183】