5月16日~この夏の大きな課題
五月中旬、一年を七十二の気候に分けた表現では「竹笋生」。少し遅い気がします。
さて今月五日の深夜、北海道電力泊原発三号機が定期検査のため停止し、日本の原発五十基すべてが四十二年ぶりに稼働ゼロになりました。
野田政権は、関西電力の大飯原発三、四号機の再稼働を目指していますが、関西の自治体が慎重なこともあってそのめどは立ちません。
一方、原発を稼働させなければ、今年の夏の電力が足りなくなる恐れがあると電力会社や原発容認派は言っています。
新聞やテレビで示される予想される電力の数値は様々で、いったいどれを信用していいかわかりません。しかし、大震災による福島第一原発事故の被害は甚大なものであり、その安全性は徹底的に検証されるべきで、今後の動向を注意深く見守るべきでありましょう。
と同時に、私たちもこれまでの生活の有り様を省みる必要があります。
テレビや冷蔵庫、洗濯機や冷暖房など、私たちはこれまで大型で最新型で、機能性の高いものを好んで使用してきたように思います。スイッチオンの時間も特別に気にすることなく、夏には冷たく冬には暖かく、必要以上に快適に、そして心地さを求めてきたように思います。
それら家庭の中での一つ一つを、家族皆で話し合い、節約節電を真剣に考えることが、この夏の日本人の大きな課題ではないかと思います。
本願寺の大谷光真ご門主さまは、ご法要にてのお言葉で、「今日、人間だけが、しかもその一部の人間だけが資源を貪っていては争いが深まるばかり。節度ある社会、節度ある私の生き方を築かねばなりません」と、おっしゃいました。
原発事故という後世にまで影響を残す大事故を経験した私たちです。動物も植物も人間も、共に生きる地球の一員として、今何が大切でしょうか。
私たちには小さなことからしかできませんが、一人ひとりが真剣に考えねばならないこの夏の大きな課題であります。
2012年05月14日【168】