2月16日~本当の幸せと豊かさは…。
インフルエンザが全国的に猛威をふるっています。
さて、先日NHKで、興味深い番組を放送していました。
それは、人気絶頂の日本人のダンスグループ、EXILEのUSA(ウサ)さんが、幸せの国として知られるブータンを訪れて、「チャム」とよばれる神聖な踊りを学ぶことでした。
「チャム」という踊りは、通常は僧侶の祈りの式で踊られるのですが、USAさんはブータン東部の小さな村のお寺で行われるお祭りで踊ることを許されます。
USAさんは、ホテルのない村で農家の家族にお世話になり、その村の人々に踊りを教わりますが、プロのダンサーであっても習得するのはとても困難です。
しかし、農家の家族や村人たちは、とてもあたたかな心で彼を励まします。
特訓を受け必死で踊りを覚えかけた彼に、村人の一人が言いました。
「踊りはとても上手になってきたが、あなたの踊りには人々の幸せと平和を願う祈りがない」
この言葉に彼は自問します。そしてその踊りの神聖な意味を知るほどに、自分に踊る資格はあるのか、夜は眠れぬほどに悩みますが、それでも村人たちは精いっぱい彼を励まし、ついにお祭りで彼は見事な踊りを披露し、村人から盛大な拍手を受けます。
私は、この村人たちの純粋であたたかな心と笑顔に感動しました。そして、常に周りの人々の幸せと平和を祈る姿勢を大変すばらしいと思いました。
幸せと平和を祈る…。私たちの浄土真宗では祈るという言葉は使いませんが、自分以外の多くの人々に寄りそうやさしく豊かな心と私は味わいます。
私たち日本人の身の回りは、物が溢れて一見豊かそうに見えますが、果たして内面はどうでしょうか。周りの人の幸せを願い、身近な人々の心に寄りそうゆとりとやさしさ、駆け引きのない純粋な心を持ち合わせているでしょうか。
仏教国であるブータンの人々は、幸せは、本当の豊かさは、決してお金や物では求めることができないことを教えてくれています
2012年02月22日【162】