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ローソクの灯りとお線香は終日点火するのですか?

 初盆のお宅にお参りをしました。お仏壇の前に座ると、目前の机の上が、数カ所焦げていることに気が付きました。

 お参りに来られた親戚の方々が、次々に香炉にお線香を立ててお参りされます。先に立てた線香は次第に短くなっていきます。後から来られた方がその隣に新しい長い線香を立てます。すると、その長い線香の途中に短い線香の火が移って、長い線香の先っぽが机の上に落ちて机を焼いてしまうのです。これが火事の原因となるのです。

 また、「初盆の3日間、もしくは四十九日の中陰の間は、ローソクの灯火とお線香は絶やしてはいけない」といった俗信を信じてらっしゃる方も多く見受けます。これは、「亡くなられた方が、冥土に旅立つ間に必要なもの」という考えに基づいたものです。冥土の「冥」とは「暗いところ」という意味で、亡くなられた方がその暗いところに行くまでの灯りとしてローソクをつけておかねばならない。お線香はそこへ行く付くまでの食事です。

 つまり灯火やお線香をずっと点けておかねばならいないというのは、亡くなられた方が、暗い暗い怖い世界に行かれるという考え方が基本にあり、亡くなられた方が迷わないようにという思いから発想されたものなのです。

 お経には、「亡くなられた方は、阿弥陀如来の本願の力によって、光り輝くお浄土に間違いなく往生する」と確かに説いてあります。暗い世界や迷うような世界では決してありません。

 ですから、初盆でも、中陰の間でも、ローソクとお線香はお参りされる時だけ点火して、その後は消すようにしましょう。また、大切な仏事の期間に火事など起こさぬよう、お線香は香炉に寝かせてお参りしてください。

ローソクの灯りとお線香は終日点火するのですか?2005年08月13日【15】

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