1月16日~常日頃からコツコツと…
新しい年が明けてはや半月、再びコロナ感染注意のスタートです。
お釈迦様のお話です。ある日、お釈迦様がお弟子たちに向かって問いました。 「世の中には、悪いことをした報いで死後に地獄に堕ちる人もいるが、同じ悪いことをしながら地獄に堕ちない人もいる。なぜだろうか」
問いかけられたたくさんのお弟子たちはあれこれ答えを考えますが、なかなかわかりません。
そこで、お釈迦さまがヒントを出されます。
「ここに手のひらいっぱいの塩があるが、これを茶碗の水に入れて混ぜるとどうなるだろう」
「それは塩水になります。きっと塩辛い水になるでしょう」お弟子たちは答えました。
「では、この手のひらいっぱいの塩をガンジス川に投げ込むとどうなるだろう」 「あの大きなガンジス川であれば、あっという間に溶けて何も変わることはないと思います」。お弟子たちは答えました。
「これがヒントだ。わかるだろうか」
「そうか、お釈迦様、わかりました」お弟子の一人が手を挙げました。
「きっと常日頃から善い行いをしている人は、悪い行為は許されませんが、犯してしまった少しの悪い行為では地獄に堕ちないのでありましょう。しかし、常日頃から善い行いに努めようとしない小さな茶碗のような人は、少しの悪い行為でもその罪が際だって地獄に堕ちてしまうのではないでしょうか」
「その通りだ、よくわかりましたね」お釈迦さまは大きく頷き、そのお弟子を褒めたそうです。
このお話は、常日頃から仏さまの教えをよく聞いて、善い行為をコツコツと重ねていくことの大切さを教えています。
コロナ禍で皆、我慢の日が続きます。周囲への思いやりと柔らかな心を忘れることなく日々を過ごしましょう。
(参考・仏教法話大辞典)
2022年01月16日【396】