4月1日~一期一会で I Love You!
うららかな花日和が続いていますがコロナ禍です。みんな集ってのお花見は禁物です。
さて、新年度を迎え一人ひとりの新しいスタートです。また新たな出会いもあることでしょう。
その出会いを大切にする意味で使われる言葉に「一期一会」があります。
よく初めての人との出会いの場で、「この出会いは一期一会ですね」と使われがちですが、もっと深い意味がありそうです。
一期一会の一期とは、自分が生まれてから死ぬまでの間のことです。一会とは一度限りという意味です。ですからこの言葉は、初めての人との出会いということだけでなく、自分が生まれてから死ぬまでの間で一度きりの出会いという意味で、同じ人であっても、何回であっても、その時の出会いは一度きりという意味です。
この言葉の裏には、お経に示される「生死一如」という教えがあるように思います。
生死一如の生死とは、自分が今生きているという事実と自分が死ぬという事実です。一如とは一体ということで、私が今生きているということと、私が死ぬということは、薄い薄い紙一枚の表と裏にしかなく、そよ風が吹いてその紙がハラリと裏返れば、私の死はただ今そこにあるという厳しい事実です。
その私の命の厳しい事実を心底に踏まえてこそ、この度の一期の出会いは一度きり、すべての出会いにおいて、その時しかない限りなく大切な出会いであることが味わえるのでありましょう。
先日、お寺の本堂で参拝されたご門徒方にこのお話をしましたら、後からある高齢の男性が私に近づいてきておっしゃいました。
「住職さん、一期一会のお話、本当にその心がわかっていたら、夫婦げんかなどしませんねぇ」
私はそれに応えていいました。「一期一会の心で、奥様に毎日、アイ・ラブ・ユーですよ」と…。
2021年04月01日【377】