4月16日~素直になれない自分へ
「春の日は暮れそうで暮れぬ」そんな春の日が続きます。
さて先日、車を運手中、横断歩道に小学3・4年生くらいの女の子二人が立っていたので、その手前で止まりました。
その小学生たちは、私の目の前を横断して、渡り終えた後に振り返り、私に向かって二人そろって頭を下げてくれました。
その姿に私はとてもすがすがしい気持ちになりました。車を運転される方なら、誰しも経験のあることではないでしょうか。
そして、そのようなときともすると、自分はちょっぴりよいことをしたような錯覚を起こすことがあります。
しかし、横断歩道で人が待っているときに、車が停止するのは当然のことです。まして子どもやお年寄りが安全に歩行できることを最優先するのはなおさらです。
運転手にとってごく当然のことをしただけなのに、子どもたちはそのことに対してわざわざお礼をしてくれたわけです。
きっと、学校や家庭で、先生や保護者から、「横断歩道で車が止まってくれたらお礼をしましょう」といった指導があるのでしょうが、すばらしいのは子どもたちがそれを素直に聞き、素直に実行している、子どもたちのその素直さだと思います。
これが私も含め大人ならどうでしょう。「歩行者優先は交通法規でアタリマエ」とか、「車が横断歩道で止まるのは当然こと」とか、「当然のことに何でお礼をしなきゃいけないの」などと理屈を並べ、していただいたことに素直に頭が下がらないのではないでしょうか。
大人になるにつれ、ほんのわずかな知識と経験を得たために、かえって心が狭くなり素直になれない自分がそこにあるのかもしれません。
横断歩道で子どもたちにすばらしいプレゼントをいただきました。 このすがすがしい気持ちを誰に伝えましょうか。どこに届けましょうか。さわやかな春の道であります。
2021年04月16日【378】