2月1日~そうなったときはそうなったとき
「一月は一気に過ぎる」と言われますが、本当にあっという間に過ぎて、テレホン法話の変更を失念していました。誠にすみません。
インフルエンザに加えて、新型コロナウィルスの感染が心配されています。過度な心配をせず、こまめな手洗いうがい、アルコール消毒に心がけましょう。
さて先日、癌が再発し再び入院することになった知人のお見舞いに行きました。
病院の待合室で待っていましたら、知人は「お見舞いなんかよかったのに」と言いながら、手をふりながらが病室から出てこられました。
ステージ四で抗がん剤治療が始まったばかりだそうで、私が「どうかお体を大事にして下さいね」と言うと、知人は「お医者さんからもそう深刻にならなくていいから、こつこつと治療をしていきましょうと言われました。私は大丈夫ですよ」と笑顔で話されました。
そして、「今はそう体にも大きな影響を感じていないので心配していませんが、体が深刻な状況になると、人はだんだん死というものを意識していくんでしょうね。でも今は大丈夫です。そうなったときはそうなったときです」と、知人は今現在の心境を素直に話すと同時に、お見舞いに来た私に心配かけまいと笑顔で話されました。
お話を伺いながら、どうにか治療が上手くいくようにと願わずにはおれませんでした。と同時に、その言葉の端々から、今日一日を精いっぱい生きることの大切さをあらためて教えられたような気がしました。
今日という字に、感じる、会うと書いて「今日感会」、今日という字に臨終と書いて「今日臨終」。「今日感会 今日臨終」。これは名優・緒形拳さんが生前、中国のお寺に行ったときに知った言葉だそうです。
「厳しい無常の中にあるこの命だからこそ、今日一日を大切に、一つ一つの出会いを大切に生きよう」という意味です。
お見舞いに行きながら、逆に大切なことを教えていただきました。
2020年02月05日【351】