4月16日~自分の顔で自分のものでない
春風がそよぎ、心地よい季節となりました。
さて、梅や桜の花は既に散ってしまいましたが、続いて椿やしゃらの木が美しい花を咲かせています。
多くのお宅の庭で赤や白、黄や紫など色とりどりの美しい花がいっせいに咲いていますが、春の日差しを浴びてただただ精いっぱいいのちの花を咲かすその姿に、私たち人間は心が癒やされ和むことです。
思えば、私たちの顔も同様のことが言えます。自分の顔でありながら、自分のものでない。自分の周囲のためにあるのかもしれません。
私たちは普段、自分の顔の表情を意識することはあまりありません。にもかかわらずその時時の心の状況によって微笑んだり、澄ましたり、無愛想で不機嫌だったり、不安そうな顔をしたり表情は様々ですが、その顔は、自分の顔でありながら、周囲の人のために見せているのです。ですから、自分の顔は自分のものであって、自分のものではないのです。
周囲の方々に見ていただく顔ならば、感情の赴くままに表情を変えず、少しは意識してやさしく穏やかな顔で接したいものです。春の日差しに輝く花々のように人さまの心を和ませたいものです。
「思い内にあれば 色外に現る」…心の中で思っていることは、自ずから表情や言動によって外に現れてしまうものです。
いくらお化粧が上手で表面を整えても、人は自分の意に沿わないことが起こると、本性がすぐさま表に表れてしまいます。
きっと、精いっぱいいのちの花を咲かす花たちは、目には見えない根っこで、素晴らしい栄養を十分に頂いているのでしょう。
私たち人間も、美しい花たちに習って、仏さまから心に栄養を頂きましょう。
そして、周囲の方々に、幸せの溢れるような笑顔を届けましょう。
2018年04月20日【307】