2018年1月1日~オレ様ファースト主義は…
明けましておめでとうございます。今年も覺照寺『心の電話』をよろしくお願いいたします。
さて、昨年をふり返ると、北朝鮮の核とミサイル、森友・加計学園問題、天皇陛下の退位決定、小池・希望の党の驕りと先走り選挙など、様々なことがありましたが、中でもトランプ大統領のアメリカファースト主義には世界中が混乱しました。
どの国にも、自らの国益に忠実に物事を進めていくのは当然でしょうが、その根底には民主的、協調的な考えを持って対応するのが基本ですし、これまでその中心的存在がアメリカだっただけに、国際的な混乱に歯止めがききません。
そんなトランプさんに聞いてほしいお浄土にいる鳥のお話があります。
阿弥陀さまのお浄土の世界には、色とりどりのたくさんの鳥たちがいて、常に阿弥陀さまの功徳を優雅な鳴き声で讃えているそうです。
その中に「共命之鳥」という、胴体は一つなのですが、頭が二つあって、鳴き声がとても美しい鳥がいるそうです。ぐみょうとは共に命を持つ鳥と書きます。 この鳥がお浄土に生まれる前の話です。この鳥は毎日、とても仲がよかったのですが、ある日森の中で、いったいどちらの方が鳴き声が美しいかが話題になりました。
二つの頭を持った鳥は互いに、「オレの方が一番だ」、「いやオレの方が美しい声を持っている」と言い争いを始め、同じ体を持ちながらも、その争いはお互いを憎しみ合うまで増幅していきました。
そして遂に片方が、「あいつがいなくなれば、オレは一番になれる」と餌に毒を混ぜて食べさせました。
食べた片方は苦しみながら死んでいきますが、間もなく毒を盛った片方も苦しみの中で命を果てます。当然です。胴体は一つなのですから…。
このお話は、目には見えない縁によって生かし生かされている私たちが、「自らの強い思いによって他を滅ぼすことは、自らをも滅ぼすことになる」ことを教えています。
新年に当たり、トランプさんも、正恩さんも、そして私も、共々に心にとどめたいお話です。
2017年12月31日【300】