9月16日~幼い子どもは伸び伸びと
お彼岸が近づき、朝夕は次第に涼しくなりました。
さて、この度、西本願寺の第二十五代目のご門主である大谷光淳様が、初めて著書を出版されました。
『ありのままに、ひたむきに ~不安な今を生きる~』という本で、PHP研究所から発行されています。
日常生活の中で、心の不安や社会の矛盾に振り回され、様々な悩みをかかえて生きていかねばならない私たち一人ひとりが、ひたむきに精いっぱい生きていくことのできるヒントが、お釈迦さまや親鸞聖人の教えを拠り所に、とてもわかりやすくやさしく説かれています。
その中で、弁護士で元大阪市助役の大平光代さんとの対談があり、現代の親子の関係についてお話しされており、大平さんは、今の時代の親は、「子どもを静かにさせよう、静かにさせよう」という意識がはたらいて、子どもを抑圧している現状があるのではとおっしゃいます。
その原因には、日本の狭い住宅事情や社会自体にゆとりがなくなってきている点が考えられますが、そのような環境の中で、どうしても「静かにさせなければ」、「教育しなければ」という、「子どもを上から押さえつけないといけない」という意識が強くはたらいてしまうのではないかとお二人は話しておられます。
この対談を読ませていただき、なるほど幼稚園やこども園でたくさんの子どもたちをお預かりする私自身も、知らず知らずのうちに同じような姿になっているのではないかと反省させられました。
元来幼い子どもは自由奔放、泣きたいときは泣き、暴れたいときは思いきり暴れるものです。
ともすると静かにしている子がよい子、大人の言うことをすぐに聞くがよい子という、大人の一方的な価値観にとらわれているのではないかと。
幼い子どもが伸び伸びと精いっぱい動くことのできる環境を大切にしましょう。幼い子どもが自分の思いを存分に表現し発散できる環境を、社会に、家庭にたくさん作りましょう。
2016年09月16日【269】