6月15日
梅雨に入り、沖縄では大雨で大変な被害が起きています。
さて先般、京都・西本願寺の会議に出席し、帰りの飛行機の中のことです。私の座席番号は五番のC席、前から五番目の通路側です。最前列から一番目、二番目と追って行きますと、三番目の次が五番目で私の席、四番目がありません。
飛行機は日頃から良く利用しているのですが、特に注意することがありませんでした。つまり数字の四は、「死」を連想するということで、座席番号から除いてあるのです。
航空技術の粋を集めた最新鋭のジェット機の中で、数字の語呂合わせのような迷信が堂々とあることに、驚くと共におもしろくも感じました。
同様のことが病院でもあるようで、エレベーターに四階の表示がない病院も時折あるそうです。実際、四階があるのに四階がないと表示する方が奇妙だと思うのですが、ここでも数字の四で「死」を連想することが原因のようです。数字の四にとっては、まったく迷惑で、心外な話です。
「人が死ぬ」ということは縁起が悪いということで、少しでもわが身にそのようなことが起こらないようにとの願いからなのかもしれません。しかし、仏教の教えを説かれたお釈迦さまや親鸞聖人が示されたのは、そのような迷信から解き放たれた本当の自由の生き方です。
お釈迦さまも親鸞聖人も、「こうしたらいけない」「こうしたら災いが起こる」など、周りの人の言うことを気にし、ありもしない幻影におびえ、バチやタタリにびくびくしながらの生活に、本当の安らぎや安心などありはしないとおっしゃいました。それを、「迷信の中に生きる人」といいます。
一方、お念仏の教えをいただく人は、「真実の中に生きる人」といいます。それは、あらゆる迷信からテレビの占い番組、最新流行のタタリやバチまで、一切のものに惑わされず、おびえることなく、堂々とこの人生を生きぬく道です。
なぜなら、お念仏をいただく人には、どのようなことがあろうとも、仏さまが常に寄り添ってくださっているからです。
どうせなら、数字の四は、幸せの「し」と読みましょう。
2006年06月16日【26】