12月1日~大人はやがて何になる?
枯れ葉と共に吹く風はとても冷たく、いよいよ冬将軍の到来です。
さて、今月のお寺の掲示板にはこのような法語を紹介しています。
子どもは、やがて大人になる。
大人は、いったい何になるのですか?
小学生から大人への質問で、以前、親戚のお寺の掲示板にあったものをお借りしました。
実際に、この質問を小学生から投げかけられたなら、あなたならどのようにお答えになるでしょうか。
一句目が、子どもはやがて大人に…ですから、答えは一言がふさわしいでしょう。
仮に質問を受けた大人が三十代・四十代であれば、「やがてはおじいさん、おばあさんに」と何とか答えられますが、質問を受けた大人が六十代・七十代、それ以上だった場合はもうその先がありません。どうしましょう。
その先は当然わかっています。やがては死人でしょうか、それともお骨になるのでしょうか。いや、この問いはそのような短絡的な答えを求めているのではないように感じます。
もし、あなたが仏教徒であるならば、ご家庭にお仏壇があり毎日お参りをされているのであれば、ぜひとも「大人は、やがて仏様にならせていただくのですよ」と答えていただきたいと思います。仏教徒のやがては、死人でもなくお骨でもなく仏様になるのです。
しかし、その仏様になるはずの自分自身の生活を少し振り返ってみましょう。本当に仏様になるような日暮をしているでしょうか。つい欲にかられ、愚痴、不平、不満、怒り、腹立ち、妬み、おごりの日暮をしているのではないでしょうか。
そこが仏法聴聞の始まりです。私が仏様の道を歩むスタート地点です。
あなたは、やがて何になるのですか?この小学生からの問いにしっかりと向き合って生活して参りましょう。
2012年12月01日【181】