11月16日~ 「おかあさん」と、いっぱい呼んで…
秋冷といわれますが、日中はまだ暖かな日が続いています。
さて、先般、大阪から来られた布教使の先生が、ご法話の中で次のような詩を紹介くださいました。小学生六年生の中村良子さんが書いた詩で、その先生にお許しを得てご紹介致します。
今日の宿題は つらかった 今まででいちばんつらい宿題だった
一行書いては なみだがあふれた 一行書いては なみだが流れた
「宿題は、お母さんの詩です。」先生は そう言ってから「良子さん。」と 私を 呼ばれた
「つらい宿題だと思うけど 頑張って書い てきてね。お母さんの思い出と しっか り向き合ってみて。」
「お母さん」と一行書いたら お母さんの笑った顔が浮かんだ
「お母さん」と もう一つ書いたら ピンクのブラウスのお母さんが見えた
「おかあさん」と言ってみたら 「りょうこちゃん」と お母さんの声がした
「おかあさん」と もう一度言ってみたけど もう 何も 聞こえなかった
がんばって がんばって 書いたけれど お母さんの詩はできなかった
一行書いては なみだがあふれた 一行読んでは なみだが流れた
今日の宿題は つらかった 今まででいちばんつらい宿題だった
でも 「お母さん」と いっぱい書いて お母さんに会えた
「お母さん。」と いっぱい呼んで お母さんと話せた
宿題をしていた間 私にも お母さんがいた
なんと、せつない詩でしょうか。胸が締め付けられるような思いがします。
しかし、良子さんは、詩の最後の方で、「お母さん」といっぱい書いてお母さんに会えた。「お母さん」と いっぱい呼んで お母さんと話せたと言っています。
「南無阿弥陀仏」。この詩は、良子さんとお母さんとの深いつながりとともに、お念仏をいただく私たちに、み親の名を呼ぶ尊さを教えてくれています。
2008年11月16日【84】