2008年1月1日~平和と繁栄の七つの教え
明けましておめでとうございます。今年も、「覚照寺・心の電話」をよろしくお願い申し上げます。
新年は、お釈迦さまのお話からです。
今から二五〇〇年前、よわい八十になるお釈迦さまがインドの霊鷲山におられたとき、マガダ国の大臣・兎舎(ウシャ)が、お釈迦さまのご様子を伺いに来ました。そして、ウシャは、マガダ国の王の伝言を伝えました。
それは、「隣国、ヴァッジー国の人々は、頑強で私に屈服しないので、私はヴァッジー国を征伐しようと思う。お釈迦さまのご意見をお聞かせ下さい」というものでした。
お釈迦さまは、それについて答えようとはせず、近くにいた弟子のアーナンダに七つの質問をされました。
一つに、ヴァッジー国の人は、よく集会を開いてよき話し合いをしているか。
二つに、協力し合い、お互いに為すべき勤めを為しているか。
三つに、国の規則を守り、礼儀正しく生活をしているか。
四つに、お年寄りを敬い、女性・子どもを大切にしているか。
五つに、祖先を大切にし敬っているか。
六つに、家庭内は正しく汚れなく、たわむれはするが、欲におぼれず、つつましい生活をしているか。
七つに,常に学ぶことを忘れず、悪から身を守り、怠けてはいないか。
ナーナンダは、「お釈迦さま、ヴァッジー国の人々は、その七つのすべてについて、若者と年寄りが常に和合して勤め励んでおります」と、答えました。
するとお釈迦さまは、「それはすばらしいことだ。年寄りと若者が和合してその七つのことを守り、正しく勤めているのであれば、そこには繁栄があり、衰え滅びることは決してないであろう」とおっしゃいました。
そして、そのお釈迦さまの言葉を、大臣から伝え聞いたマガダ国の王は、ヴァッジー国を征服することを断念しました。
お釈迦さまは、争いの原因を説き、それを乗り越える教えを説かれたのです。 まさにこの七つの教えの実践に、家庭に、職場に、社会に、平和と繁栄が開かれるのです。
2007年12月29日【63】