12月16日~「絆」そして「縁」
早いもので、今年もいよいよ年の瀬となりました。
今年も様々なことがありました。三月十一日に発生した東日本大震災は、東北地方に未曾有の災害をもたらしました。またそれに伴う福島第一原発事故は、未だに多くの方々が先が見えぬ避難生活を強いられています。その他にも野田佳彦首相の就任や沖縄の普天間基地の問題などもありました。
先般、その今年の世相を表す漢字が、京都の清水寺で示されましたが、やはり「絆」という文字でした。相次いだ災害であらためて確認された家族や仲間、地域とのつながりとその大切さがその理由でありましょう。
私自身が一文字あげるなら、「縁」という字です。
縁とは、この世の一切のものは、直接的あるいは間接的に、何らかのかたちで互いに関係し合い、つながり合って存在しているということです。
震災直後、被災地の東北地方では、もののない大変な被災状況の中にありながらも、暴動や大きな混乱もなく、皆我慢強く冷静に対応されたと聞きます。これは常日頃からその地域の方々が互いに支え合いながら生活をされてきた結果でありましょう。
またその被災地には、日本全国から、そして世界各国から支援物資や激励の声が寄せられました。私たちは回りの多くの方々から支えられていることに気づかされました。
逆に、原発の問題は、私たちがこれまで簡単、便利、スピードよかれの生活を一方的に推し進めてきた結果でもあり、深く反省すべきことであります。これは子や孫たちの時代まで負の遺産を残すことでありましょう。
また、サッカー女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」の最後まであきらめない姿勢やチームワークの良さは、サッカーなどできない私にまで大きな勇気を与えてくれました。
二〇一一年、この世の一切のものは、つながり支え合って存在していることを再確認させられた年でありました。
2011年12月13日【158】