8月16日~褒めて認めてもらってこそ
今年の初盆法要は、例年になく、たくさんの方々がお参りくださいました。
法要では、それぞれのご先祖方を偲びつつ、すべての方々をお浄土へとお救いくださる阿弥陀如来に感謝し、『仏説阿弥陀経』というお経を拝読しました。
そのお経の中に、東西南北と上下にいらっしゃるたくさんの仏さまが、浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来の、すべてのものを救わんとするその功徳が真実であることを表し、念仏申すものを、すべての仏さまがお護りくださるという段があります。
たくさんの仏様の名前が出てきて、繰り返しそのことを念を押すように示されているのですが、私はそこを拝読するたびにとても有り難く思うのです。
以前、お寺の本堂などを、日本の伝統的な技法をもって建てる宮大工の方からお聞きしたのですが、「私たちの仕事は、建築の依頼を受けた施主から満足してもらわねばならないのは当然ですが、同じ大工の仕事をする同業者から褒めてもらい認めてもらってこそ一人前です」と、聞いたことがあります。
つまり、同じ仕事、同じ勤めをするものから認めてもらうことが、この上ない保証になるというのです。
尊い仏さまのお救いについて、世俗的な話を出して申し訳ないのですが、しかし、私は同様のものを感じるのです。
一時も休むことなく、たくさんの仏さまがこの私を救わんとはたらいてくださっている。そのたくさんの仏さまが口をそろえて、阿弥陀如来のお救いのはたらきこそが真実であると、褒め称え認めておられます。
そして、そのお心を頂き念仏申すものを、その多くの仏さまが必ず護ると誓ってくださっているのです。これ以上の保証がどこにありましょうか。
私たちはそのお心を素直にいただいて、ただ念仏申すのみであります。
2010年08月16日【126】