10月1日~運動会やイベントのシーズンに…。
高い空に鰯雲が浮かんでいます。
さて、一ヵ月ほど前の話です。お仕事で、鹿児島市内にある西本願寺鹿児島別院に出向きました。
会議が行われる会場に入る前に、本堂に行き阿弥陀様にお参りをしていると、私を遠くから呼ぶ声がしました。それは、私が別院に勤務しているとき、よくお参りに来てくださっていたMさんの声でした。
久しぶりにお会いし、わずかな時間でしたが、お話をすることができました。 Mさんは、「私はもう九十になります。お陰さまでまだこのようにして自分でお参りに来ることができます」と、ご高齢になってもお寺参りができることを、大変喜んでおられました。
その後のことです。久しぶりに、私と打ち解けたMさんは、「今年は、桜島が久しぶりに噴火して、よく灰が鹿児島市内に降ってきます。洗濯物も車も汚れます。町を歩くと灰にまみれて大変、時にはあっちに行ってくれればいいのにねぇ」と、おっしゃいました。
「あっちってどっち?」と私が聞くと、Mさんは、「そりゃ大隅半島の方よ」と言われました。
「Mさん、大隅には私の家があるのだけど…」。それを聞いてMさんは、「あっ、恥ずかしい」と、慌てて口を手で押さえられました。Mさんは、私の自宅が大隅半島にあることを忘れていらしたのでした。Mさんも私も大笑いしました。
しかし、Mさんだけではありません。私も同様です。
洗濯物や車が汚れてしまう火山灰が降ってくると、なぜこっちに降ってくるのか、違うところへ降ればいいのにと、つい思ってしまいます。
テレビで、大型台風がこちらへ向かってくる予報を見ると、つい、他の地域へそれてほしいと思い、それを口にします。
人間は、自分の都合によって、つい自分さえ、自分の地域さえよければいいという心が沸いてきてます。
秋は、運動会やイベントのシーズンです。自らの心や言動を少しふり返ってみましょう。
2009年10月01日【105】