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浄土真宗の正しいお墓の立て方を教えてください。

 普段、あまりお寺にお参りなさらないご門徒のBさんが、「今度、お墓を立てることになったので、どのようなお墓を立てたらよいでしょうか?」と、電話がありました。わたしは、「ようこそ聞いてこられました。ぜひ、お寺に来てください」と、ご案内致しました。「お墓を立てる」、「納骨堂を求める」とは、一生に一度のことです。ですから、せっかくなら浄土真宗の教えに基づいたお墓を建てていただきたいものです。
 案の定、お寺に来られたBさんは、「墓相の見方」「先祖が迷わないお墓」「運勢を変えるお墓」など、たくさんの本を持って、もうすでに大変迷ったご様子でした。
 そこで、お墓を建てる際の注意事項とお寺からのお願いを申します。

1,お墓を建てようと思ったら、まずお寺にご相談を…。
  お墓を建てようかなと思われたら、Bさんのように、まずお寺にご相談下さい。一般の書店には、浄土真宗の教えや、仏教の教えにそぐわない本や、まったく無知な本があふれています。また石材屋さんも、すべてが正しい認識をお持ちとは限りません。ですから、遠慮なくお寺にご相談下さい。

2,墓相や墓石の形に惑わされることなく…。
  普段「気にしなくてもいい」と思っていても、いざ建てるとなるとやっぱり気になるのは墓相です。しかし、これだけははっきり申します。真実の教えを説く仏教は、お墓の方角や場所によって、幸不幸が生じることは一切ないと説きます。開祖であるお釈迦さまも明言されており、逆にそれらに惑わされる心によって、さらに迷い心は深まると申されます。墓石も同様ですが、あまり故人がにぎやかな人だったからと華美な形のものや、周りの環境にそぐわないものは控えた方がよいでしょう。

3,石碑(軸石)の正面には、「南無阿弥陀仏(ナモアミダブツ)」「倶会一処(クエイッショ)」の名号を刻みましょう。
  この世の生涯を終え、ご先祖が往かれた世界はお浄土です。この世の姿はご遺骨となってお墓に安置されましたが、ご先祖はお浄土の光り輝く仏さまとなって、この世に残る私たちを常に真実の世界に導いてくださっています。お墓はその後先祖を偲ぶ大切なところですが、同時に私を確かに導く仏さまのお力を感じるところでもあるのです。ですから、石碑の正面には、仏さまの真実の呼び声である「南無阿弥陀仏」か、お浄土のはたらきを示した「倶会一処(やがて必ずお浄土で等しく会えるという如来の誓い)」と刻みます。

4,「霊標」でなく、「法名碑(ほうみょうひ)」です。
  「霊」とは、「迷えし存在」を言います。往くところが定まらず、この世に恨みを持ち、いつもフラフラとした存在です。ですから「霊標」とは、そのような迷えしものの名を記したものとなります。先ほども申しましたが、私たちのご先祖はお浄土に往かれ、さとりを開き光り輝く仏となられたのです。その証の名が「法名」です。その仏様となられた方々を記す碑は、「法名碑」と言います。

浄土真宗の正しいお墓の立て方を教えてください。2006年07月23日【23】

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