6月1日~自らの姿勢厳しく…
強い日差しに照らされて、山々の緑がまぶしく輝いています。
さて、五月末に、現役の大臣が自死するという大変痛ましい事件がありました。
資金管理団体の高熱水費や事務所費の不透明な支出など、国会で大きな問題となっていましたが、その渦中の現職閣僚が自ら命を絶つという最悪な結果となりましたことは、誠に残念というほかはありません。
この事件の翌日、ある小学校の低学年の生徒たちが、この事件の話を学校でしていたそうで、幼い子どもたちにまで影響を与えていることは大変危惧するところです。
事の真偽はわかりませんが、「政治とお金の疑惑」について、野党は大臣を徹底的に追求しました。大臣は、「法律に基づいて適切に報告している」の一点張りで回避しようとしますが、与党のしがらみの中で、おおよそ孤立し四面楚歌の状況のようでした。
残念と思うことは、国民の代表である政治家が集まった中で、一人の人間が自ら命を絶つまで、それを救う人が誰もいなかったこと、そばに寄り添い支える人が結果的にいなかったことです。
政治家として、一人の人間として過ちがあったかもしれません。周囲はそこを徹底的に攻めました。ご本人も某かの事実を話して社会的に身を処することを考えたかもしれませんが、周囲からそれも許されなかったようです。完全に追い詰められた状態でした。
東京都知事が他人事のように、「彼も侍だった」と言いましたが、今は、割腹を良しとする江戸時代でしょうか。
人は誰しも過ちを犯します。だれしも欠点はあります。また縁によってどのようなことをするかわからない存在です。しかし、そのようなときに、本当にその人の身になって寄り添う人がいたなら、勇気を持って共に行動し、悩める人を支える人がそばにいたならと思わずにはおれません。
一人の人間として、自らの姿勢が厳しく問われます。
2007年05月31日【49】