2月16日~めんどっちいとか、億劫とか…。
新型コロナウイルス感染拡大が止まりません。まん延防止措置も延長になりそうです。
さて、年々年を重ねると、若い世代の人に対して「最近の若いもんは…」といいたくなる時があります。
例えば、わが家の娘に対して、ちょつとした頼み事をするたびに返ってくる言葉が「めんどっちい」です。「めんどっちい」とは「面倒臭い」の最近の言い方で、その「めんどっちい」が何回も繰り返されると、「ホントに最近の若いもんは…」と愚痴を言いたくなります。
この「めんどっちい」「面倒臭い」と似た言葉に「億劫」がありますが、この言葉が仏教から来た言葉ということご存じでしょうか。
億劫は元来、「とてつもなく長い時間」を表しました。
二つの長さの表現があります。一つは、四方の長さ、上下の高さが一六〇キロメートルというとてつもなく大きな鉄の箱に芥子の実を満たして、一〇〇年に一度、一粒ずつ取り出して、その芥子の実がすべてなくなってしまう時間が一劫だそうです。
もう一つは、一辺が一六〇キロメートルというとてつもなく大きな岩石があって、百年に一度天女が空から舞い降りてきて、白い衣でその岩山を撫でて、その岩石が摩耗してすべてなくなってしまう時間の長さが一劫だそうです。
いかがでしょう。あなたはそのような時間の長さを想像できるでしょうか。その一劫を億倍したのが億劫(おっこう)という長さになり、それがなまって億劫(おっくう)となり、気が遠くなりそうなあまりにも長い時間から、なかなか気が進まないことを億劫というようになりました。
たいした長い時間もかかるわけではないのに、「めんどっちい」とか「億劫」とか返す娘に、まことに億劫な思いをしている日々であります。
2022年02月17日【398】