8月16日~何一つ完全でない私が…
全国で、コロナ感染、大雨が心配されています。気をつけましょう。
さて、「善人ばかりの家庭では、争いが絶えない」という言葉があります。
おかしなことです。家族全員が善人であれば平和なはずなのに、なぜ争いが絶えないのでしょうか。
この善人という意味は、「私の考えは正しい。私の行いは正しい。私の発言は正しい」と、自分自身を省みることを知らず、我を善しとする人のことをいいます。このことは家庭だけではないようです。
学校や幼稚園の先生方の中には、今の子どもたちの教育が思うように行かないのは、家庭での親の躾や教育がだめだからだとおっしゃる方がおられます。
保護者の中には、子どもの成績が思うように上がらないのは、学校や先生方の指導方法が悪いからだとおっしゃる方もおられます。
子どもの中にも、日ごろ家庭で保護者間の話を耳にしているのでしょうか、この先生は教え方がダメとか、この先生の態度が悪いとかいう子もいると聞きます。
もちろん、学校や幼稚園の先生、保護者もそれぞれに、その職責や務めを全うするよう常に改善や努力を怠ってはなりませんが、あまりにも自分の立場からだけの意見で相手を責め立てると、争いと時間だけが費やされ、皆が疲れてうまくいくものもうまくいかなくなりますし、何よりも子どもたちを取り巻く環境がさらに悪くなります。
あらためて自分自身を省みると、一人の人間としても、福祉・教育に携わる者としても、お寺を与る僧侶としても、親としても、夫としても、自分は完璧、完全だと言えるものは何一つありません。
何一つ完璧にできない、完全でない私が多くの方々の支えによって、 一人の人間として、福祉・教育に携わる者として、お寺を与る僧侶として、親としても、夫として、今日もなんとか過ごさせていただいています。
「善人ばかりの家庭では、争いが絶えない」深く味わいたい言葉です。
2021年08月17日【386】