6月16日~まっすぐにまっすぐに曲がって…
青々とした新緑に降りそそぐ雨を青梅雨といいますが美しい表現です。
さて、お寺では毎月「みんなテラス」という子ども食堂を開催しており、今現在は、コロナ禍のためドライブスルーでお弁当を200食、多くの方々に低価格で配布しています。
このお弁当の食材も経費も寄付で賄われており、お弁当を作る人も配る人も皆、ボランティアで地域社会へのご報謝として行われています。
毎月この行事の時は、早朝に会場である大隅中央幼稚園へ行って、車が並ぶためのライン引きをするのですが、広いグラウンドにまっすぐに白い線を引こうとしても、これがなかなか難しいのです。
正面を向き足を踏ん張って、まっすぐにまっすぐに進むのですが、振り返ってみるとまっすぐ引いたつもりがまっすぐではないのです。
これは循環彷徨という人間が持つ習性だそうです。自分はまっすぐ正しい方向だと進んだつもりでも、目印のない広い場所では、気づかないうちに曲がっていって、結果的に彷徨ってしまう人間の習性です。
これは体だけではなく、心も同じことが言えるかもしれません。
人やものの見方や考え方についても、自分は常に正しい、自分は間違っていないと思っていても、いつの間にか自分の得意な方向に、自分の勝手な方向に見方や考え方が曲がってしまい、わがままな自分になったり、強引な自分になったり、知らず知らずのうちに人を傷つけたりしているかもしれません。
ライン引きをしている間にコツを見つけました。それは3メートル先、5メートル先、10メートル先にある小石や木切れ目指して引くと大きく曲がることなく、割とまっすぐに引くことができました。
つまり正しい指標、正しい教えを持ち、常にその指標や教えを聞くことです。
正しい教えを仏さまに聞き、心のよりどころとし、指標としながら生きる生き方を仏道と言います。
2021年06月16日【382】