1月1日~コロナ禍の正月に味わいたい言葉
明けましておめでとうございます。今年も「覚照寺・心の電話」をよろしくお願い申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染拡大とそれによる深刻な経済への影響、また大統領選挙によるアメリカの混乱に不安を感じながらの一年でした。
新型コロナウイルス感染拡大の波は徐々に身近に迫っており、心からおめでとうといえないお正月でありますが、このような年始だからこそ、以前ご紹介した言葉をあらためて味わいたいと思います。
「靴の底 すり減って 傷だらけになって 私の歩みを 支えてくれている」
これは、癌に冒されながらも、お念仏とともに精一杯生き抜かれお浄土にお参りになった出雲市・成福寺住職の本多昭人先生の『ふたたび出会う世界があるから』という本に紹介されている言葉です。
本多先生は、「この言葉を目にしたとき、病んだ私を気づかい、激励し、そっと背中を押してくれている周囲の人々の存在に目が向きました。そして、私はその人々の支えの中で生きていることを再確認したのです」と述べておられます。
新型コロナで増加する重傷者の治療に当たられている医療従事者の方々、施設で高齢者のお世話をされている介護士さん、町中で警備に当たられている警官や消防士、刑務官の皆さん、郵便配達員やコンビニ・スーパーの店員さん、公的交通機関の職員の方々など、お正月にあっても休むことなくおつとめしておられる方々が、今の今、全国にいらっしゃいます。
特に、医療従事者の皆様、そのご家族には、身命を賭して務められていることに心から敬意を表します。
靴の底というのは、足の下という意味でなく、私の見えないところ、私の気づかないところで、私の命を足下から支えてくださっているという意味です。
「靴の底 すり減って 傷だらけになって 私の歩みを 支えてくれている」
例年のお正月では、新年おめでとう、おめでとうの声が元気に飛び交うのが常ですが、新型コロナでお互いが自粛しなければならないお正月だからこそ、この言葉を一人一人が味わい、お陰さま・感謝の中で過ごすことが大切だと思います。
2021年01月11日【371】