5月1日~多くの人々の支えの中で…
新緑の間を渡ってくる風を薫風と言いますが、この香りは殺菌作用や人体を活性化するはたらきがあるそうで、新型コロナウイルスも吹き飛ばして欲しいものです。
さて、この度は、まず一つの言葉を紹介します。「靴の底 すり減って 傷だらけになって 私の歩みを 支えてくれている」.
これは、癌を抱えながら苦しみ、あらがい、悩み、そして往生なさる最後までお念仏とともに尊く立派に生き抜かれた本多昭人先生の『ふたたび出会う世界があるから』という本に紹介されていた言葉です。
本多先生は、この言葉を目にしたとき、「病んだ私を気遣い、激励し、そっと背中を押してくれている周囲の人々の存在に目が向きました。そして、私はその人々の支えの中で生きていることを再認識したのです」とおっしゃっています。
本多先生のおっしゃると通り、私たちは日々何事もアタリマエのように生活していますが、私の周囲にはその一日を支えてくれているたくさんの人々、いのちがあることに気づかされる言葉です。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言のために、観光業、飲食店、宿泊施設、交通機関など、お仕事をしたくてもできない方々がたくさんおられます。また逆に、この困難な中にありながらも、日々医療に従事してくださっている方々、スーパーで荷下ろしや販売をしてくださっている方々、警察関係や福祉関係の方々など、多くおられます。
普段は皆忙しくて、なかなか思いが至りませんが、一度この度ののようなことがあると、私の一日を支えてくださり、汗水流してこの社会を支えてくださっている方々に、あらためて気づかされます。
そして特に、新型コロナウイルス感染者の治療のために、日夜努めてくださっている医療関係者には敬意と感謝を申し上げます。
「靴の底 すり減って 傷だらけになって 私の歩みを 支えてくれている」。ただ今、深く味わわれる言葉です。
2020年05月01日【356】