12月1日~あなたの歳は、いまいくつ?
師走の穏やかな晴天を「師走日和」といいますが、願わくはそのような日が続いてほしいと思います。
さて先日、お寺にお参りに来られたおばあちゃんが私に向かって、「最近本当に日が経つのが早くなりました。ご院家さんもそうですか」と聞かれました。
最近、私もそう思うようになりましたので、「ホントですね。日が経つのが早いですよね」と応えました。
年をとればとるほど、月日が経つのが早く感じるというのは、まんざら嘘でもないようで、フランスのジャネーという哲学者は、例えば、五歳の子どもにとって、一年の長さは人生の五分の一ほどに感じますが、五十歳の人には一年の長さは人生の五十分の一に感じると唱えています。したがって、五十歳の人の十年間は、五歳の子どもの一年間に当たることになります。
これは、人間は若ければ若いほど、すべてのことに未経験で、見るもの聞くもの触るもの、すべてに新たな経験と感動があります。よって時間がゆっくりと流れていきます。
逆に高齢になればなるほどすべてが経験済みで、新たな経験をすることもなく、感動することもなく、生活にもそれほど変化はなく、よってあっという間に時が過ぎていくということです。
あなたの歳は、今おいくつでしょうか。令和元年も早十二月、時が経つのが早く感じられませんか。そうしている間に、皆ジャーネーとお別れをしていかねばなりません。
問題なのは、その私のお別れがいつくるのか、どこでなのか。そして順番もなければ、代わることもできないということです。
一日一日を大切に生きるには、どうしたらよいでしょうか。
限りある命を、尊く生きるには、どうしたらよいのでしょうか。
そして、私のいのちはどこに向かって生きているのでしょうか。
年末のひと月を過ごす中で、それらのことを考えながら過ごすことも大切ことではないでしょうか。
2019年12月01日【347】