9月1日~人生のよき目標を…
虫すだく季節。朝夕、虫聞きをしながら過ごすと心が和みます。
さて、九月はお彼岸の法要が勤まりますが、彼岸とは、ご先祖が往きお生まれになったお浄土のこと。暑からず寒からずのこの時期に、日頃の忙しい手を少し休めてご先祖を偲ぶとともに、自分自身がそのお浄土へ至る道を訪ねていく行事です。お浄土へ至る道とは、その生き方を問い訪ねていくと言い換えてもいいでしょう。
時折、普段まったくお寺にお参りされない人の中に、人は死んだら仏さんの世界に行くという人がおられます。でも、普段の生活の中で、まったくお寺やその教えに関わりを持とうとされない方が、死んだらどのようにして仏さまの世界に生まれることができるのでしょうか。
人の生き方は様々ですが、やはり敬うべき姿はよき目標を持った生き方でありましょう。お仕事でも、勉強でも、スポーツでも、趣味でも、よき目標を持ち、それに向かってこつこつと弛まない努力を積み重ねることで、その目標に近づいていくのでありましょう。
確かな目標を持つこともなく、わずかな学びや努力さえすることもなく、自由気ままに過ごして、いよいよと言うときにすばらしい結果がもたらされたという話は聞いたことがありません。
やはり、自分の人生の最後の目標としてお浄土の世界を日々問い訪ね、その教えに学び、心の糧として人生を歩んでいく人がお浄土に往き生まれるのでありましょう。
かといって、私たちは厳しい行を勤める修行者ではありませんので、時には怠けたり、ふらついたり、諦めの気持ちが湧くこともあるかもしれません。
でも、皆それぞれ今日も帰る家があるように、自分の最後の帰る家として、お浄土を心に持つ人は必ず往生することができるのです。
その確かさは、阿弥陀如来がご本願として誓っておられます。
2019年09月06日【341】