1月1日~一喜一憂し流されるのではなく
明けましておめでとうございます。今年も覺照寺『心の電話』をよろしくお願いいたします。
さて、昨年をふり返ると、アメリカのトランプ大統領と金正恩北朝鮮労働党委員長の歴史的首脳会談、米中の貿易摩擦、アメリカのイラン核合意を離脱など、国際的にはトランプ政権がらみの話題が多く、国内においては西日本豪雨、北海道地震などの災害。森友問題での公文書改ざん。アメフト、レスリング、柔道、体操などスポーツ界のパワハラ問題がありました。
昨今、ツイッターなどが情報発信の主流となり、超大国の言動・行動に世界中が翻弄される時代で、それだけに私たちは一つ一つの情報に一喜一憂しそれに流されるのではなく、常に広い視野を持ちながら、五十年、百年単位で物事を考える深い視座を持ちたいものです。
お釈迦さまは、人々の心から仏さまの教えが薄らいでいくと、人々と世の中が五つの濁りに染まっていくことを示されました。
一つには「劫濁」といい、テロや戦争の続発など、時代そのものが汚れることです。
二つには「見濁」といい、人びとが自己中心的で邪悪で汚れた考え方に染まってしまうことです。
三つには「煩悩濁」といい、世の中が欲望や憎しみの心に支配され、悪徳が横行することです。
四つには「衆生濁」といい、人々が心身ともに、資質が衰えた状態になることです。
五つには「命濁」といい、自他ともに生命が軽んじられ、一つ一つのいのちが粗末に踏みにじられることです。
何とも毎年毎年、お釈迦さまが示された悪しき世界が迫り来る思いがいたします。
親鸞さまは、このような時代に生きる私たちは、阿弥陀仏の本願を依り処にして生きるほかはないと諭されておられます。それは阿弥陀仏をおいて、限りなき智慧の光と慈悲のいのちをもった真実の仏さまはおられないからです。
今年も南無阿弥陀仏のみ教えをいただきつつ日暮らしをさせていただきましょう。
2019年01月16日【326】