8月16日~施しの大切さ学んで…
暑い暑いお盆の最終日、とても喜ばしいニュースが飛び込んできました。
山口県のお母さんの実家に帰省し十二日の午後から行方がわからなくなっていた二歳の藤本理稀ちゃんが、山中で十五日の早朝無事に発見されました。
イノシシもマムシもよくでるという山中でなんと三夜を過ごしましたが、脱水症状はありますが、目立った外傷もなく、奇跡とも言うべき報道に、心からうれしく安堵の思いでした。
発見した方にも驚かされました。捜索のボランティアに来ていた尾畠春夫さん・七十八歳で、捜索ボランティアの経験と直感が今回の奇跡の発見につながったと言われます。
翌日のテレビで尾畠さんがインタビューを受けていましたが、ボランティアを始めたのは、「別府市で長年魚屋を営み、皆さんに支えられて子育てもできたので、六十五歳を機に、今度はこれまで支えてくださったことを社会にお返ししよう」と思ったことがきっかけだと話されました。
理稀ちゃんを発見できたのは、「以前、大分県の山中で行方不明になった二歳の女児の捜査のお手伝いをさせていただいた経験が生きた」と話され、まこと自然に、「お手伝いをさせていただいた」と言われた言葉遣いに感動を覚えました。
また、自らの強い信念を持ってボランティアに取り組んでおられるからでしょう。「日本という所は資源はないけれど、知恵がたくさんある」と言われ、これから定年を迎える方々に対し、「夢を持ち続けること。そして計画を立てて実践することが大切」と、偉ぶることなく、竹を割ったようなさっぱりとした姿が印象的でした。
お盆は、仏説盂蘭盆経に説かれる目連尊者とその母の故事を通して、自らの我欲を慎み、施しの大切さを勧める行事です。
そのお盆に、嬉しいニュースと共に、わが行いに計らいを見ない尾畠さんの姿勢とその言葉に、施しの大切さと学ばせていただきました。すばらしい施しをいただきました。
2018年08月19日【317】