8月1日~宝くじ買ってきて
八月は既に残暑、しかし焦げ付くような暑さが続いています。
さて、サマージャンボ宝くじの発表が今月中旬にあります。
寿司屋を営む奥さんがお寺に来られた時、少々怒って話された思い出話です。 その寿司屋の近くに住むおじさんがその奥さんに、「今度宝くじの発売があるから奥さん、すまんけど買ってきてくれないか」と言われたそうです。
奥さんが、近くに販売店があるから自分で買いに行けばいいのにと不思議に思って、「なんで私に言うの、自分で行けばいいじゃない」と答えたそうです。
それに対しおじさんは、「だって、奥さんとこの寿司屋、この前、車に当たられたやろ。そんなことあまりないことや。その当たられた奥さんに宝くじを買ってきてもらったら、今度こそ当たるような気がして」と返したそうです。
近所同士の気安さもあって半分冗談もあったのでしょうが、言われた方の奥さんはお寺に来て、「まあ、お店に車が突っ込んだ上に、人の不幸に縁起担いで宝くじを買ってこいですよ。ホント腹が立つ」とご立腹でした。
何とも、人は宝くじに当たるためにいろんな験担ぎをするものだと、少々笑いをこらえながら、奥さんのお話を聞くことでした。
宝くじの当選日まで、買った人はいろんな夢を見ることでしょう。立派な家を建てようとか、高級車を求めようとか、豪華な家族旅行をしょうとか、子どもたちの学費にしようとか、暑い夏の夜に、あれこれ思いにふけるのもいいでしょうし、家族で夢の会話をするのも楽しいでしょう。
でも、その夢や会話の中に、食べ物に困っているアフリカの子どもたちに少しでも寄附をしようとか、医療や教育が行き届かない国へ寄附しようとか、災害で困窮される地域へ寄附しようとか、そのようなことが少しでも含まれているでしょうか。
たとえ夢でもいいですから、その夢の中に、自分のことばかりでなく、他を思う夢が入っていれば、自ずと行動に示されるのかもしれません。
自分のことばかりでなく、他人様に心を寄せて喜んで差し出す、そのほどこしの行為を布施と言います。
2018年08月01日【316】