5月16日~人間にしかできないことを…
ホトトギスの忍び音に、夏の到来を感じます。
さて先般、自動運転装置のついた車を初めて運転する機会がありました。
高速道路で速度を設定すれば、あとはハンドルに手を添えてさえいれば、車は道なりに一定の速度で走ります。渋滞で前方の車が徐行、あるいは停止すれば、まるで人間がブレーキを踏んでいるかのように、徐行し止まります。
駐車場でボタン一つ押すと、車は勝手に周囲を判断し、ハンドルが勝手に回って、まるで透明人間がいるかのように、車は白線内に収まります。
その性能の高さに驚くとともに、人がやるべき事まで車が自動でやってくれるので、この便利さがさらに進めば、人は次第に退化していくのではないかと、少し不安も感じました。
一方、先日、今話題のAI・人工知能の開発者の新井紀子さんの本を読みましたが、今現在、センター試験の上位二十%内に入るほどに開発された人工知能は、これまで人間がしてきた多くの仕事を、今後人間に代わってするようになるだろうと予測されます。
新井さんは、これからますます進む人工知能の社会にあって、人間にしかできないことを大切にすべきで、そのために、様々な状況に応じて適切な判断ができる人、読解力のある人を育てることが大切だとおっしゃいます。
そして幼児期から、何でもかんでもそろった環境に子どもを置くのではなく、少し不便な環境、何か不満があるけど、少し工夫して頑張れば解決できるような環境で、過ごすことが大切だと教えてくださいます。
便利、簡単、スピードの社会は、本来人間が持っているものまで次第に奪ってくのかもしれません。
「人は自然に帰れ」といわれて久しいですが、幼い頃から様々な体験をし、時には危機感を覚え、工夫をし、経験を重ねる中で様々な状況に応じることのできる、そんな人間が今後ますます必要となるようです。
2018年05月17日【309】