11月16日~いつでもどこでも一緒なら…
「秋の日はつるべ落とし」と言われるように、夕暮れがとても早くなりました。 さて先般、幼稚園である園児がこのような質問をしてきました。
「先生はいつも、『阿弥陀さまはいつでもどこでも、皆さんと一緒にいてくださいますよ』と言ってるけど、なぜ、幼稚園から帰るとき阿弥陀さまにさようならとご挨拶するの。いつでもどこでも一緒ならごあいさつはいらないのじゃないの」
何とも鋭い質問です。その園児が言うように、阿弥陀さまが私と、いつでもどこでも一緒にいてくださるなら、ご挨拶の必要はありません。
しかしそのことをみ教えに尋ねると、「阿弥陀さまがいつでもどこでも私と一緒に」というのは、阿弥陀さまのさとりの立場から皆一人ひとりを救おうと、人間の思いを超えた智慧の心をもって示してくださったものであります。
阿弥陀さまのさとりの立場は誰にも平等で、時間も空間も超えていますから、私たちにとっては、誰にでも、いつでもどこでも阿弥陀さまは一緒にいてくださいます。
「なぜ、幼稚園でご挨拶をするのか」というのは、阿弥陀さまが皆を救おうとするお慈悲の立場から、あえて私たちの目に見える形で、その姿を表しておられるからです。
だから幼稚園にも家庭にもお仏壇があり、幼稚園でも阿弥陀さまのお姿にご挨拶をし、家庭でも朝夕お参りをするのです。
「皆さんは、朝お家を出てくるときにお母さんに『行ってきます』とご挨拶をするでしょう。帰ったときはまたお母さんに『ただいま』とご挨拶をしますね。でも、皆さんが幼稚園でお勉強しているときも、運動をしているときも、ご飯を食べているときも、いつでもどこにいるときでも、お母さんは皆さんを心配し、励まし、寄り添ってくださってます。幼稚園に来ているときも、お母さんの心は皆さんと一緒にあります。阿弥陀さまのお心はそのお母さんの心と一緒ですよ」
私は子どもたちに、そのようにお話を致しました。
2017年11月13日【297】