10月16日~仏さまのいのちを生きる
ひと雨ごとに、冷たさが増す季節です。
さて、幼稚園には家庭訪問がありますが、私は毎年、園児の家庭に出向く先生方に、「もし、訪問した家庭にお仏壇があったなら、まず仏さまにご挨拶のお参りをしてから、保護者と話を始めてください」と事前に話してから送り出しています。
なぜなら、そのお宅の主はお仏壇の仏さまだからです。主に最初に挨拶をするのは当然のことです。
しかし今年、家庭訪問を終えた先生方に、お仏壇のあったご家庭を聞いたなら答えは0でした。
昨今、核家族は当然ですし、幼稚園児の保護者はまだお若いので、わが家にお仏壇を求めるご縁がないのでしょう。やむなしとは思いながらも、0という数字をとても残念に思いました。
お仏壇はご先祖を偲ぶ所ではありますが、それ以前に、中心に仏さまを安置するところです。ですからお仏壇といいご先祖壇とはいいません。
その仏さまは、休むことなく私たち一人ひとりを救わんと願い続けていてくださる存在です。また仏さまは、私たちは衣食住すべてに亘り、目には見えないいのちのつながりの中で生かされていることに気づくよう、呼びかけてくださっている存在でもあります。
家庭でご飯が炊けたときには、まず最初に仏さまにお仏飯をお供えします。そして、食事を頂くときには必ず仏さまに感謝のお参りをしてから頂くよう、私たちは親から教えられました。
また、人様から頂き物をしたときには、まず仏さまにお供えしお参りしてから包みを開くよう教えられました。
これは、私たち一人ひとりは、多くの尊いいのちのつながりの中で生かされている、いわば仏さまの尊いいのちを生きていることを学ばせていただく行為です。
どうかお子さまが幼いときから、家族一緒にお仏壇にお参りする生活をと、切に思うことであります。
2017年10月15日【295】