2006年3月1日
二月が逃げるように過ぎていきましたが、寒さも次第に和らいできました。
さて、二月初旬のテレホン法話で、逮捕起訴されてしまったライブドアの堀江貴文元社長の身だしなみについてお話しいたしましたが、それについて大隅町のKさんよりお便りを頂きました。一部をご紹介します。
「テレホン法話をお聞きして、本当にそうだと思ったのですが、私にも同じようなことがありました。
老人クラブで小学校に見学に行き、ふれあいの場で若い女性の先生の服装があまりにもひどかったこと。私どもが草取りなどの仕事をするときよりも薄汚れた、だらしない服装でした。
神聖な教育の現場、これで教壇に立たれ、何で先生として尊敬できるのだろうかと心が痛みました。家に帰りその手で校長先生に手紙をと思いましたが、一介の老婆があまりおこがましいことかと逡巡してあきらめましたが、今日の電話は心に響きました。私どもの頃は、男の先生は背広にネクタイ、女の先生は襟元をきっちり合わせ袴をはかれて気品があり、子ども心にあこがれと尊敬をもって授業を受けたものでした。
お寺では墨染めの衣に真っ白な足袋で姿形を整え、如来さまの前でご法話をしてくださる姿は清らかで、尊敬の念が湧いてきます。それで私どもも心を正して一言半句も聞き逃さぬようにしています。
テレホン法話で、まず心は、身だしなみからだとの訓を再認識しました」
拙いテレホン法話に、まことに有り難いお便りをいただきました。
Kさんのお父さまは、Kさんが幼い頃、一家団欒の夜の食卓で、「人にはやさしく、自分に厳しく、人に好かれ慕われる人間になりなさい」とおっしゃっていたそうですが、その凛としたお心がにじみ出るようなお便りです。
Kさんがお手紙のなかで一句詠んでくださいました。
「ご法座や お僧の足袋の 白さかな」
ホリエモンのことばかりでありません。この私も、身と心を引き締めて勤めに励まねばと、あらためて諭されることでした。
2006年03月16日【19】