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7月16日~7人の自然の名医
全国で大雨の被害が多く出ています。早く梅雨が明けてほしいものです。
さて、自然は時に人間に災害をもたらしますが、逆に自然には七人の名医がいるとも言われます。
一番目は、「日光」です。最近は紫外線の被害を語る人もいますが、やはり外に出て、ある程度の日の光を浴びることは大切です。
二番目には、「空気」です。田舎であっても、車が頻繁に往来する幹線道路付近と、少し奥まった道路付近とでは空気が違います。あなたはさわやかな空気を吸っていますか。
三番目には、「水」です。おおよそ水は購入する時代になりました。しかし、自然のおいしい水を飲みたいものです。
四番目は、「食べ物」です。何でも贅沢に食べることのできる時代ですが、一方では、食べ過ぎによる健康被害も言われます。自然のものをバランスよくほどほどに…が大切なようです。
五番目は、「運動」です。膝の痛みを言われる方が多くおられます。植物は根が腐ると枯れ、動物は足の弱いものから他の危険にさらされます。適度な運動で足を鍛えましょう。
六番目は、「休息」です。働きづめもよくありません。夜更かしもよくありません。休息をとって、規則正しい生活を送ることです。
七番目は、「精神」です。「病は気から」、または「気の病」などと言ったりしますが、ものがあふれた中からは本当の豊かさが得られないことは、世の中の様々な事象が証明しています。私たちに必要なのはものの豊かさではなく、心の豊かさです。
七人の自然の名医は、常々私たちの身の回りにあるもの、誰でも心がけのできることであります。暑い夏に向かって、今一度自らの生活の有り様を振り返ってみましょう。 (参考・現代法話実用大宝典)
7月16日~7人の自然の名医 | 2010年07月16日【124】
7月1日~罰は当たるか当たらぬか…
今年の梅雨は、殊の外よく降ります。
さて、幼い頃、おじいさんやおばあさんから、「そんな悪いことをしたら罰が当たるよ」と言われたことがある人も多いと思います。仏様は罰を与えるような方ではないのですが、きっと戒めの一つとして言われたのでしょう。
今、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」が好評ですが、その坂本龍馬の師匠である勝海舟が、ある日、家で本を読んでいるとき、その家の勝手を知った弟子たちがどかどかと上がり込み、酒を飲み始めたそうです。
しばらくすると勝海舟の耳に弟子たちの話し声が聞こえてきました。
「世間で言う罰など当たりはせん。神社の狛犬にしょんべんをひっかけてみたが、これこの通り何も起こらん。ピンピンしているぜ」
「罰などたわごと、迷信迷信」
そのとき激しく襖が開きました。
「バカモン、罰当たりな犬ども出て行け、犬ども出て行け」
それは勝海舟でした。
「罰なんぞ当たらんだと。おまえたちにはとうに罰が当たっているではないか。その証拠におまえたちはすでに人間じゃない。犬にされているじゃないか。人間なら神社の狛犬にしょんべんひっかけるなど、とうていできやしねえ。おまえたちは犬だ。とうに犬だ。さあ、出て行った出て行った」
勝海舟が落とした雷に、弟子たちはただただひれ伏すばかりだったと言います。 私たちも、この弟子たちの行為まではないにしても、誰も見ていないから、どうせ知られることはないから、罰など当たりはしないからと、ときに人の道に外れた行いをしていることはないでしょうか。
罰が当たる当たらないではなく、結果がどうのこうのではなく、人の道に外れた行いをしているそのとき、すでにその人は人でなくなっていることを、勝海舟は教えてくれています。
(参考・現代法話実用大宝典)
7月1日~罰は当たるか当たらぬか… | 2010年07月01日【123】
6月16日~いのちの上に成り立ついのち
本格的な梅雨の季節です。
さて、四月に宮崎県で発生した家畜伝染病口蹄疫は、隣接する都城市まで広がり、鹿児島県では準非常事態が宣言されました。畜産農家の方々の苦悩ははかりしれません。
発生以来、テレビでは口蹄疫の被害の状況を毎日のように伝えていますが、テレビに出てくる論者で、その対策を語る人は多くいても、次々に殺されていく牛や豚のいのちについて語る人はあまりいないようです。
現在でも数万頭の家畜が殺処分を待っているといわれますが、その中には感染していない家畜も多くいますし、子どもの牛や豚もいます。すべてを処分するのは、人間が食べる良質のブランド牛を守るためです。
また対応が急がれるのは、畜産農家のみならず、飲食業や小売業、観光や運送等をはじめ、多くの市場経済に悪影響を及ぼす風評被害があるためです。
つまり、多くの牛や豚たちは、私たち人間の食や生活を守るために殺されているということも、一方では忘れてはなりません。そして、私たちの毎日は、それらの多くのいのちを頂きながら生かされている、私のいのちは多くのいのちの上に成り立っているということを、一人ひとり省みることが、今、私たちに求められているのではないでしょうか。
多くのいのちとみなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました。深くご恩を喜びありがたくいただきます。
尊いおめぐみをおいしくいただき、ますます御恩報謝につとめます。おかげでごちそうさまでした。
西本願寺の食事の言葉です。
一人ひとりが一刻も早い終息を願い、力を合わせてウイルス侵入防止につとめたいと思います。と同時に、処分されゆく多くのいのちを思い、家族や地域でいのちについて語り合うことも大切なことと思います。
6月16日~いのちの上に成り立ついのち | 2010年06月16日【122】