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12月1日~この危機的状態にあって…

 早いもので、今年もあと一ヵ月となりました。

 さて、十一月二十三日、韓国の延坪島周辺に北朝鮮が砲撃し民家が炎上、韓国軍の兵士二人と民間人二人の計四人が死亡、十九人が重軽傷を負う痛ましい事態となりました。

 韓国軍の現場海域での軍事演習に対するものですが、民間人の居住地域と分かりながら砲撃する北朝鮮の行為に、強い憤りを覚えずにはおられません。

 また、「世のなか安穏なれ」と願われた親鸞聖人の大法要を来年に控えたこの年の暮れに、このような争いが起きたことを誠に残念に思います。

 韓国の李明博大統領はテレビ演説で、「北がさらに南を挑発すれば、必ず応分の対価を払わせる」と語り、米韓の合同軍事演習も始まって、さらに緊張が高まっています。

 北朝鮮の乱暴な行為は、国際社会から非難されて当然のことですが、この危機的状態にあって、韓国をはじめ近隣諸国には冷静な対応を心から願いたいと思います。

 そして、被った応分の対価を、その憤りを、武力を持って返すことだけは、人類のこれまでの歴史的経験とその英知を持って慎み控えてほしいと思いますし、私たちもそのような過激な思いに駆られぬよう心したいと思います。

 お釈迦さまは、「すべてのものは暴力におびえる。すべての生き物にとっていのちは愛おしい。おのが身にひきくらべて、殺してはならぬ、殺させてはならぬ」と人々を諭されました。

また、「もろもろの怨みは怨み返すことによっては、けっして鎮まらない。もろもろの怨みは怨み返さないことによって鎮まる。これは永遠の真理である」とも諭されました。
 
今この時に、この言葉を心深く刻みたいと思います。

12月1日~この危機的状態にあって…2010年11月30日【133】

11月16日~チリ作業員の方々の教え

 今年もインフルエンザが出始めました。予防接種はお済ませでしょうか。

 さて、十月十三日、チリにおいて、六十九日ぶりに地上への生還を果たした作業員三十三人の「奇跡の救出劇」から約一ヵ月がたちました。

 当初は救出には三ヵ月もかかると言われ、地下七百メートルに閉じ込められた方々の安否を、世界中の人が祈るような思いで心配しました。

 幸い救出作業が急ピッチで進み、いよいよ最初の人が救出されるときには、世界中の人が息をのみ、そして感動に包まれました。

 多くの情報が飛び交う今日、一ヵ月もたてばもう遠い懐かしき思い出のようです。

 あの事故で、なぜ三十三人全員が助かったのかということについて、先日、テレビで事故の専門家が分析していました。

 一番目に、あの深さで仕事をする作業員は、自分たちにいつ何が起きるかわからないという、心の準備ができていたということ。 

 二番目に、常に落盤の危険にさらされる仕事で、万一の時、自分たちはとっさにどういう行動を取ればよいか、普段より体の準備ができていたということ。

 三番目に、助ける側も助けられる側も、いざという時、寄る辺とするところ、シェルターの場所を確認していたということ。

 彼らが助かった原因を分析すると、この三つのポイントが挙げられるそうです。

 せっかくです。このポイントを自分の日常に当ててみてはいかがでしょう。

 仏教では、人生は無常、いつどうなるか分からないいのちを、今の今生きていると教えます。あなたは心の準備はできていますか。

また、そのような不確かないのちの現実を抱えて生きる私たちです。あなたにとって大切な一日一日、何が一番大切なことでしょう。

 そして、いざという時、あなたのいのちの帰る世界がありますか。あなたを待ってくださる方はいらっしゃいますか。

 チリの作業員の方々は、とても大切なことを教えてくださっています。

11月16日~チリ作業員の方々の教え2010年11月15日【132】

11月1日~よき妻になるように…。

 異常な猛暑と言われた今年の夏でしたが、一気に冬が来たような冷え込みです。

 さて、今から遙か昔、お釈迦様がご在世当時のお話です。あるとき妻のわがままに困り果てた男性から相談を受けたお釈迦さまは、七通りの妻の姿を話されたそうです。

 その一、自分の夫をバカにして、他の男性に心を移し、夫を殺そうとまで考える妻。怖いですね。

 その二、夫が一生懸命働いて築き上げた財産をそっくり奪い去ろうとする妻。ニュースで時折見るようです。

 その三、妻自身は働くこともせず、贅沢で粗暴で口やかましく、夫を尻に敷いてあごで使うような妻。

 その四、常に夫のためを思い、母親が子どもに対するように夫やその財産を守る妻。

 その五、妹がよき姉を尊敬し従順であるように、自分の夫を尊敬し従順な妻。

 その六、遠くから久しぶりにやってきた友だちを迎えて喜びように、いつも夫を喜びで迎える妻。

 その七,ときに夫に叱られたとしても、これを怒ることなく耐え忍んで夫に付き従がう妻。

 そして、この七つの中で、前の三つは悪い心がけのために地獄に落ちて苦しみを受けるであろう。あとの四つは、立派な心がけのためによき果報を受けるであろう、とお話になったそうです。

 この妻の七つの姿を見るとき、お釈迦さまがいらした二,五〇〇年前も今現在も何ら変わりません。

 私も、この妻の七つの姿をわ我が家の奥さんに示して、さらによき妻になるよう勧めようと思いましたが、止めました。逆によき夫の姿を諭されかねませんから…。

 相手を戒めるよりも、まずは自分自身の有り様から…。これもお釈迦さまの教えであります。   (参考・現代法話実用大宝典)

11月1日~よき妻になるように…。2010年11月01日【131】

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